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執筆者の写真江夏 泰治郎

宮崎県都城市の庭園 - vol.4 -

更新日:4月26日

以前当ブログにてご紹介させて頂いたお庭の続きとなります。

以前の工事から一年が経ち植物の生長が目まぐるしく当地の環境が素晴らしいことを物語っています。




モグラやカラスなどに悩まされつつも日頃のお手入れを隈なくして頂いたおかげで大変綺麗な状態を保ち日を追うごとに美しくお庭が変化していくのがわかります。



タイマー管理された散水設備を途中加えたことで庭全体の水やりが省力化することができました。特に苔地にはミスト散水を行なっており、スギゴケは大変良い状態を保っております。



また植栽した野芝も定期的に刈り込まれており綺麗です。



そしてこの4月に再び洋館の建物周りの造園をさせて頂きました。灯籠や景石の据え付けに関しては前回工事によって完了していたものの、洋館本体の工事が未完であった為先延ばしとなっていた工事です。奥の石塀に沿って地模様を付け、境界に六方石を据え付けました。

野趣溢れる印象です。重厚感のある洋館に力負けしないような庭づくりとしました。植栽した樹木はアズキナシ・ヤマボウシ・イロハモミジ・ヒメシャラなど雑木を主体としたもので、柔らかさ軽やかさも感じられます。隣地との境界は柔らかく遮るよう塀沿いにはヒノキを列植しています。



建物からの目線がかなり高い所にあることも考えて植栽はなるべく奥へ控え、手前は広い砂利のスペースとなりました。洋館の周り三方に設けられた雨水の排水溝の底には透水管を設置し、落ち葉やゴミなどにより水はけが悪くなることを防いでいます。そしてグリ石でこれを被せて化粧をしています。



建物の裏にあたるバックヤードはできるだけ広く使えるように砂利のスペースとしました。今回植栽した特大のドウダンツツジはこのスペースのシンボルとなる木です。大広間からも襖を開けっぱなしにすればこの木は眺めることができる程存在感のあるもので、花や新緑、紅葉で訪れる人を楽しませてくれることでしょう。


登録有形文化財の指定を受ける建物にふさわしい庭とは何か。この建物を利用するのに適した地割(庭園における間取り)。庭が美しく見え、動きやすい目線や動線の設計。これらの問題を一つ一つ吟味して、我々なりの計画を提案させて頂き造園しました。

日々お手入れをして頂いてこの庭を慈しんで頂いていると聞き、嬉しく思います。長らく人の手が入っていなかった家と庭に我々を含め色々な職人が携わりこれを復活致しました。

これからは色々な人がこの家と庭を訪れ新たな物語が始まることでしょう。



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