田園調布 迎賓館 - 造園前編 -
- 江夏 大三郎
- 3月23日
- 読了時間: 2分
更新日:3月31日
去年の夏ごろ、思わぬご縁をいただき東京都大田区の田園調布でお仕事をさせていただく機会をいただきました。田園調布の駅からも程近く、瀟洒な住宅が並ぶエリアにあたり、この現場においても大変美しい建物が建っており、この建物に相応しい庭づくりをオーナー 様は求められました。オーナー様は京都・岡崎にあるとある著名な庭園をご覧になられ、感銘を受けられ、この田園調布の迎賓館において、そのお庭のエッセンスを取り込んだお庭づくりをしたいと希望され、私が修業時代京都のそのお庭に出入りしていた経験があることからお話をいただき、この度造園をさせていただく機会をいただきました。
実際工事前に視察と打ち合わせを兼ねて調査に伺いますと、もともと立派なお庭がありま したが、近年はお手入れが滞っているようでした。またプールやウッドデッキ、不要な樹 木・石材など造園を始めるにあたり、事前に撤去しておく必要なものが大量にあったことは本計画を進める時の最初の難関でありました。
プールやウッドデッキの下にはそれを支える鉄骨及び袋打ちコンクリート基礎が存在し、 鉄骨についてはこれを切断し撤去し、基礎については保全した上で排水を考慮し、60から120cmの客土を行う必要がありました。
この解体・準備工事から当事務所が施工するには費用的、時間的な問題があるため、幸い東 京に当事務所で修業をした職人がおりましたので、彼らに協力を仰ぎこれらの工事を行な ってもらいました。
このお庭は大きく3つのエリアで分けることができます。すなわちガレージ横のエリア、リ ビングから見下ろす主庭、サンルームから眺める横長の庭であります。ガレージ横の庭は車 で来られるゲストが最初にご覧になられるであろうお庭。主庭はゲストをもてなすお庭。サ ンルーム前の庭は建物の中から眺めることとなるお庭。こういう想定をし、お庭を計画・設 計しました。そしてエリアごとに3つの案を提案させていただきました。どれも気に入って いただき、一つの案に絞り込むのには悩まれたことと思います。
ガレージ横の庭は孟宗竹とモミジなど他の植木の植栽と小熊笹の地被の植栽でいっぱいでした。
主庭は全面ウッドデッキにプールが配置された構成でした。不要な樹木やウッドデッキ、プールなどの撤去が必要でした。
西側のサンルームの前は大面積の御影石で舗装されたアプローチとカシの木の高い生垣がありました。
次回は造園中の様子をお伝えできたらと思います。
Comments