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  • 執筆者の写真江夏 泰治郎

板垣と石張り

更新日:2021年8月19日



以前造園工事をさせていただいた現場で、お庭をより良くしていこうと承り、今回板垣工事とアプローチの石貼り工事を施工いたしました。

以前は隣地に古家があり東側の目隠しは必要でなかったのですが、取り壊しのあとスッキリとはしたものの二軒隣まで目線が通ってしまうこととなりました。また既存のブロック塀も隣地との共有となっており、また見た目も気になるということで今回撤去し、新しく垣根を作ることとなりました。お施主様と幾度と協議を重ね、デザインは統一感のある板塀とすることとなりました。イメージの大元は神社の板塀で、神社の板塀の多くはヒノキの無節の材木を用いますが、家の外観との調和を考え板材は杉の節あり材を使用しました。色は家の外観に合わせ黒にするか、グレーにするか、いろいろ悩みました。結果無色の防腐塗装のみで、あとは退色していきグレーっぽくなる経年変化を楽しむということとなりました。こういう考えはとても素敵だと思います。板を止める釘は潰し釘を用いると、じきにこれが錆びてきて、酸化鉄を含んだ水分が釘の部分から垂れ、その跡が残り、これも一つの景色となるという説明をしたところ、これが採用となりました。また板の厚みにもこだわりました。単純な構造の板塀で、普通の薄板を用いると軽い印象になるのですが、今回は濡れ縁などにも用いられるくらいの2cm以上の厚板を使用しました。それにより大変落ち着いた印象を得ることができました。また間柱は張板で隠れるようにし、連続性と統一感を持たせ、スッキリとシャープなデザインとしました。


次に玄関アプローチの改修工事です。これまでは三和土風の土間仕上げのアプローチでしたが、より自然風な仕上げを望まれました。そこで自然の川石(水流によって削られた丸みを帯びた石)を使用しアプローチを畳むこととしました。古道のような雰囲気を持つようにあまり綺麗すぎないように石を配置していきます。今回は石の目地(隙間)にセメントを入れないので石同士ができるだけ擦れあうようにしました。最後に目地にはふるった赤土を入れ込みました。ゆくゆくはここに苔が入り、植木類も大きく成長しまさに山の中の古道の雰囲気を出してくれることを期待しています。今回使用した使用した川石は滋賀県高島市の安曇川産で、質の良いものを選び出して畳んで行きました。





























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