去る11月19日に登録有形文化財に登録された泉佐野 新井家住宅が1日だけ公開されるとのことで見学に行きました。
新井家住宅は1932年に大阪・船場で事業を営む新井末吉が生家にて迎賓館を兼ねて自邸として建てた純和風木造建築です。
小高い丘陵地に建っているため、周囲の山々や大阪湾などが眺望できる立地です。
門をくぐると広い和風庭園があり、奥座敷、座敷、主屋がコの字型に配置されています。
室内は精緻な組子の明障子や格天井、見応えのある欄間など、技術や質の高い造形を見ることができました。
この建物はお客様を迎えるためのもので、住人が使うスペースは客殿と比べると、極端に狭いスペースしか取られていません。本当に迎賓館的な使われ方をしたのではないかと思います。
欄間、障子、襖などの建具は今では作成不可能かと思わせるものが多数ありました。
高台に建っているので大客殿の西側の掃き出しガラス戸からは泉佐野の大阪湾の海が見渡せました。
建物の一部をリフォームして大きなキッチンスペースを設け、料理教室が開けるようにされています。
昭和初期から現代まで続く歴史ある空間は落ち着いた印象ではありますが、粋な計らいが随所に見られて私たちの目を楽しませてくれました。とても素晴らしい建物でした。
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