4月1日、桜が満開の気持ち良い土曜日。
教林坊は605年に聖徳太子によって創建されたお寺で、「教林」とは、太子が林の中で教えを説かれたことに由来し名付けられたそうです。
現在は石の寺として知られ紅葉の名勝でもあるのですが、実は1974年から20年もの間無住寺院で、庭は荒れ放題だったようです。
現在の住職が来られたのが1995年からで、その後数年かけて地元の方の協力もあり、名勝を復活されました。
いただいたパンフレットに、教林坊垣の記事がありました。
教林坊垣とは、竹に等間隔で穴を開け、支柱になる立子の竹を差し込み、横に渡した半割竹にシュロ縄で結んでいく竹垣の意匠の一つです。
私の修業時代より教林坊垣は何度か作ったことがあるので、目に留まり読み進めていくと、
寺が荒れて垣根も廃されていたちょうどその頃、私の師匠である飯田十基がここに訪れたと書かれているではありませんか。さらにその際、荒れた庭の垣根を復元し教林坊垣を復活させた と記されています。これには驚きました。
今や教林坊垣は有名な垣根の一つに挙げられますが、飯田がここで復活させたものがその後今日にまで続く垣根の一種として定着した、まさにその原点となる場だったのです。
とあるご縁で参加した勉強会の地で、師匠の名を目にして何かの因縁を感じ大変感動を覚えました。弟子の我々が師匠から教えられたことがこうして時代を超えてつながり、一つになったのです。
ここに、飯田と私がそれぞれ作成した教林坊垣を合わせて載せておきます。
江夏 大三郎

↑現在の教林坊の教林坊垣

↑飯田造園設計事務所作成

↑江夏庭苑事務所作成
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