三重県四日市市のとある御宅で、今回初めてお手入れさせていただくこととなりました。また既存樹木を整理しつつ境界には板塀を設置するようご依頼いただきました。まずお手入れの方はかなり大掛かりなものとなりました。不要な樹木の伐採および抜根を行うとともに、他の樹木についても(特にクロマツ)混み合った枝の透かし剪定を行い、重たく鬱蒼とした庭を風通しよくすっきりと整理しました。これまで入ることさえ困難な場所も足元をすっきりと整理し、目線の高さまで迫ってきたした枝を取り除くことにより、容易に出入りできるようになりました。
今回道路境界の植栽の伐採および抜根を行いました。イヌツゲの刈り込みや、ツバキ、ウメなどがそこに植栽されていました。道路から敷地が見通せるようになってしまったため、板塀を設置しました。現在の庭園の雰囲気として和風の垣根や塀を設置するのは望ましくないと考えられます。バラアーチなどをふくむバラ園、夏みかんやブルーベリーなどの果樹、ユーカリやオリーブなどの海外の樹木が敷地内にそこかしこと植栽され、その一方でクロマツやシダレウメ・イヌマキなど古くから日本庭園に用いられてきた樹木も植栽されていて和洋折衷の庭園となっています。この雰囲気を大事に活かしつつ、よりよく庭全体と建物を見せるため、板塀を設置させていただくことになりました。板塀のデザインには様々なものがあり、和風になりすぎないように設計を行う必要がありました。そこで幅の異なる(12cmおよび3cm)の異なる板を用意し、1cmの隙間を設け、それらを交互に釘打ちし張っていきました。そして冠木にはガルバリウムの板金(いぶし銀色)を施しデザインに締まりを持たせると同時に、垣根自体の寿命も伸びるような工夫をしました。板垣のもつ雰囲気が重くなりすぎないように塗装色にも配慮し、今回はキシラデコールのウォールナットを選定しました。
完成してみるといままで生垣だったところが板塀になりグッと空間が引き締まったように感じます。板同士の隙間を設けることにより、光や空気の流れを遮断せず、軽さを感じられるようになりました。庭園内の雰囲気や建物との調和もうまく行ったんではないかと思います。
こちらの造園工事はまだ途中で、続報はまたご披露する機会があればと思います。
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