こちら炭山ではソメイヨシノは少し遅れて散って、新緑の緑が眩しい季節となって来ました。暖かくなるまでしばらく取り組んでいた造園の仕事を紹介いたします。
施主様の奥様が茶道を趣味とされておられ、今回家を新築される際、御稽古などに使用出来る本格的な茶庭を望んでおられました。また当社の得意とする雑木使いも気に入って頂いていたので、雑木を取り入れつつ侘びた庭を作って行くことにしました。
庭に使用する石材は全体的にいいものを使用することが出来ました。飛び石は川石や丹波鞍馬を中心に使用しました。延べ段や待ち合いに使用する石は古い葛石(かずらいし)を自然石と組み合わせるなどしました。灯籠や水鉢は職人のノミ仕上げのものを使用しました。水鉢は四方仏で、元々は石造層塔の初層軸部や宝篋印塔の塔身に穴を掘り水鉢に見立てたもので、これを模して掘ったものを納入しました。また灯籠は六角の生け込み灯籠で竿の部分も六角になっている少し珍しいものです。またつくばいの前石は鞍馬石でなかなか貴重なものを納めさせていただきました。
使用した樹木は雑木類が主体となっています。中にはこれまでそれほど使われてこなかったなかなか珍しいものも含まれています。使用した樹木は、アカマツ(山取り)・カマツカ・アズキナシ・アオハダ・ナツハゼ・シラキ・シャシャンボ・ウメモドキ・シロモジ・クロモジ・イロハモミジ・ハナイカダ・ネジキ・ヒノキ・シホウチクなどです。山野草類なども多く植え、お茶花や切り花などに使えるようにしました。これらの成長を楽しみ、ゆくゆくは野山の趣を感じられる様になるのが今から楽しみです。
またお茶庭以外の部分では山野草を植える植え込み二カ所を枕木や舗石でつくったり、30cm角の御影石(桜・白)で畳んだちょっとした広場でBBQなどを楽しめるスペースを設けました。敷地の角にはご主人の希望でイチイ(一位)の木を植栽させていただきました。
樹木の成長とともに庭の雰囲気もどんどん良くなって行くだろうと、想像するだけでもわくわくします。
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